『秩父三十四観音巡礼記』
第6番〜第11番札所



第6番 向陽山 ト雲寺
    埼玉県秩父郡横瀬町横瀬

ご詠歌:初秋に風吹きむすぶ萩の堂 宿かりの世の夢ぞさめける
本尊:聖観世音菩薩


ここには、夕方に訪れました。 そのためか、巡礼道から見えるにもかかわらず見過ごしてしまい、 延々歩き続けてしまいハイキングコースのような山道に迷い込んでしまいました。 間違ったかな?と思いつつも歩きつずけているうちに日も暮れてしまい、 明かりが全くなく、進むことが出来なくなりやっとの思いで引き返しました。 そこで、見落とした案内札を見つけ、六番にたどりつくと、 受付時間は過ぎているにもかかわらず閉めた戸を開いて納経を受け付けていただけました。 このお寺は、遠目には普通の家のように見えるので、訪れる時には気をつけてください。 でも、たまには迷うのも良いもんですよ。 歩き巡礼の醍醐味です。 昔の人は、今のような詳細なガイドブックもなかったでしょうし、大変だったでしょうね。




第7番 青苔山 法長寺
    埼玉県秩父郡横瀬町横瀬

ご詠歌:六道を兼ねて巡りて拝むべし また後の世を聞くも牛伏
本尊:十一面観世音菩薩


道順の関係で、五番の次は六番ではなくこの七番を先に回ったほうが効率が良いようです。 本堂は、新しくと手とても整備されている印象を受けました。 本堂の欄間の彫刻や境内にある牛伏せの石の像にそれぞれ、観音様の霊験を伝える逸話があり、 新しく感じる堂宇とは対照的に昔からの秩父巡礼の歴史を感じられる空間でした。




第8番 清泰山 西善寺
    埼玉県秩父郡横瀬町根古屋

ご詠歌:ただ頼めまことの時は西善寺 来たり迎えん弥陀の三尊
本尊:十一面観世音菩薩


一度目の訪問では、拝観時間を過ぎてしまい中に入ることが出来ませんでした。 そのときは、まわりが薄暗く閉ざされた山門から、寂れたお寺だとの印象を持ちました。 (まわりには人家があるのですが、人気がなくとにかく静かで物寂しかったので...) 二度目の訪問で、訪れた時にはバスで乗り付けた巡礼団とたまたま一緒になり、 団体での読経を始めてまじかに聞きました。先達と思われる人物の調子に合わせて白装束を身にまとった皆が 本尊に向っている様子には信仰とはどういうものなのか?を思い知らされました。 ここには、大きなもみじの樹があります。周りの景色もそうですが、秋にぜひもう一度訪れてみたいと思っています。



第9番 明星山 明智寺
    埼玉県秩父郡横瀬町横瀬

ご詠歌:巡りきてその名を聞けば明智寺 心の月はくもらざるらん
本尊:如意輪観世音菩薩


人家の間にあるちょっとした空き地の一部にあるようなところでした。 観音堂はこじんまりとしていて、本尊前立の如意輪観音まで、手が届くような距離です。 僕は、如意輪観音が他の観音像よりも人に近い感じがして好きです。 片ひざを立てて、あごに手をやるその姿は他の観音像に比べてとても人間くさくて親しみを覚えます。




第10番 万松山 大慈寺
     埼玉県秩父郡横瀬町横瀬

ご詠歌:ひたすらに頼みをかけよ大慈寺 六つのちまたの苦にかわるべし
本尊:聖観世音菩薩


秩父の中でも大きな国道299号を九番から歩きました。 途中十番さんに行くために道を右に折れると車どうりはほとんどなくなり静かな巡礼道に戻ります。 自動車で巡礼したのでは感じられないでしょうが、歩いてまわるとそんな対照的な感じが心にのこります。 長くはないけれど石段を上ると立派な仁王門があり、そこをくぐると正面に本堂を望む広場に出ます。 広場と言ってもこじんまりとしていてそれほど大きくはないのですが、千手札の無数に貼られた本堂には やはり多くの人が足を運んで願いをかけた秩父巡礼の重みがひしひしと感じられました。 中には、プリクラシールを貼ってるような方もいましたが....




第11番 南石山 常楽寺
     埼玉県秩父市熊木町

ご詠歌:罪とがも消えよと祈る坂氷 朝日はささで夕日かがやく
本尊:十一面観世音菩薩


10番から裏山をしばらく歩いて、軽めのハイキングを楽しむ道が、この十一番につながっています。 秩父の市街にも近くなり、ここは小高い丘の上なので、秩父の町並みが見下ろすことが出来ます。 本堂のとなりにある納経所も、割と品ぞろえが豊富で納経をお願いするといろいろと話を聞かせてくれました。







『秩父三十四観音巡礼記』

第 1番〜第 5番札所

第 6番〜第11番札所

第12番〜第17番札所

第18番〜第23番札所

第24番〜第29番札所

第30番〜第34番札所








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