様々な巡礼霊場


新四国霊場

国内には,四国の八十八箇所霊場を写した八十八箇所を廻る霊場が数多くあります。 その総距離を四国霊場と同じくしたような大きな規模のものから、 大師の像を一周すれば八十八箇所を巡礼したのと同じ高徳を得られると言われるものまで本当にさまざまな 写し霊場が存在します。それだけに各地に存在するということは各地方の人々にも四国の八十八箇所はその名が 伝わり、いろいろな面で効力があり、ありがたいものなのだと言うことです。
関東地方にも写し霊場は、存在しており四国まで時間的な制約によりなかなか四国まで足を運べない人や、 一部の愛好家・信者によって廻られてきました。 札所として成立は歴史的に古いものでも、現在は巡礼者の数がそれほど多くないことと、 霊場内の横のつながりが薄ためか、札所として巡礼を迎える機能が弱く、 常に納経を受けてもらえないこともあり,ある意味では四国の八十八箇所巡礼よりも満願には困難が伴うかもしれません。 もちろん、写しといえども各寺院にはそれぞれに歴史・伝承があり、そのご利益に疑いはありません。


地方観音巡礼

観音様は,日本全国でも、非常に人気が高い。 あらゆる姿に形を変えてみんなを残らず救ってくれる仏様だからです。そんな観音様を廻るのが観音巡礼です。 もともとは、西国観音巡礼が起源ですがそれが各地に広まって,現在各地に多くの観音霊場が見られます。 地方にある観音札所はある一定の地域に集中して、またその地域の観光資源として存在しているものが、 現在は多いように思われます。そのため、道しるべや納経受付などの巡礼環境も比較的整っているように観じます。 よく捜せば,自宅の近くにもほとんど知られていない観音霊場が自宅近くに存在していることもあるかと思いますので, 初めての巡礼には、そういったところを散歩のついでに廻って見るのもおもしろいと思います。


不動巡礼

大日如来の使者であり、真っ赤に燃える炎の背光をもち、憤怒の表情を持つ不動明王を前にすると、気が引き締まる思いがします。 この思いからか、不動明王を奉る札所寺院を廻る霊場が存在します。 不動霊場は,誰でも一度は目にしたことのある不動明王のその姿からイメージできるように悪癖・災厄を絶ち願いを叶えるための霊場だと考えます。 そして誓いの巡礼道になると思います。他の如来や菩薩と違い救ってもらう受動的な願いよりも、 なにかを成就すると言うような能動的な願いが似合いますね。


地蔵巡礼

お地蔵さんは道路脇で交通事故の現場などにも立っているのが見られるように非常に身近な仏です。 閻魔王の化身でありながら,ひょっこりどこにでも現われそうな僧侶の姿は、他の菩薩とは違った庶民的な感じです。 そのため仏の中では人気が高く、地蔵菩薩を奉る霊場も各地で生まれました。 弥勒菩薩が誕生するまでの末法の世のピンチヒッター的救済者である地蔵菩薩を廻ることで、 現世・来世ともに救いと安らぎを求める霊場廻りを楽しみたいものです。


薬師巡礼

読んで字のごとく、様々な病気による苦しみから救ってくださる仏である薬師如来と結縁するための霊場です。 薬師如来は阿弥陀如来の西方極楽浄土に対して東方の浄瑠璃浄土の主です。 太陽の登る方向、つまりは現世を生きぬくための薬を太陽の光と共に前世から運んでくれる仏といえるのではないでしょうか。 もちろん薬とは単に肉体的な病だけ出なく、心という目に見えない部分にも効果を表すような妙薬に違いありません。 薬師如来を奉る寺院を順に廻ることにより,改めてそんな薬の功徳に与かれる札所巡礼です。


十三仏巡礼

十三仏は、死者の供養に合わせて設定して決められた仏様です。
不動明王(初七日)、釈迦如来(二十七日)、文殊菩薩(三十七日)、普賢菩薩(四十七日)、
地蔵菩薩(五十七日)、弥勒菩薩(六十七日)、薬師如来(七十七日)、観音菩薩(百ケ日)、
勢至菩薩(一周忌)、阿弥陀如来(三回忌)、阿シュク如来(七回忌)、大日如来(十三回忌)、
虚空蔵菩薩(三十三回忌)の各仏がこれに当てられます。 勿論、亡くなった人への供養の気持ちを持って参拝するのもよいのですが、 生きているうちから死後にその時々に応じて護りを与えてくれる仏達に手を合わせることにより、 自分自身へ安らぎを与えるものとなります。







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