『三浦三十三観音巡礼記』
第29番〜第33番札所




第29番 金剛山 無量寺          
     神奈川県横須賀市長坂  

ご詠歌:聞きしより短き坂を長坂と 無量寺に参る観音
本尊:聖観世音菩薩



R134からわずかに半島の内側に道をそれた、新しく作られた?拡張された? ような道路にこの札所はあります。 すっきりとした印象の境内で像や樹木が目に入らないような印象を持ちました。 参道の脇には色つき屋根の通常の民家が建っており、白黒の地味な配色の寺院なのですが対照的で逆に引き立っています。 道路から直角に延びた参道の正面に本堂の入口があり、そこから本尊を拝むことが出きるのですが、帰り道に参道を帰る時に真後ろから本尊に見られているなんて言う不思議な視線を感じました。 まだ新しそうな本堂の前に建つ山門は藁葺きで、目を引きます。




第30番 禅林山 正住寺          
     神奈川県横須賀市林  

ご詠歌:参るより頼みをかけし観世音 おそしはやしは心心に
本尊:定印観世音菩薩


林の交差点は、昔はロータリーになっていて、その形をとどめています。 林といえば、幽霊が出るといわれた廃墟のマンションが以前あって、テレビなどでも何度も取り上げられていた場所があったのですが、今は取り壊され土地販売中の看板が出ていました。 札所は134号線を少しそれた、生活道路のようなところにひっそりと存在しています。 立ち話をしているおばちゃんがいたり、自転車を二人乗りした中学生などが通るようなのどかな通りです。 札所は真っ赤に塗られ、そんな通りのすぐ脇。まるで商店のように道路に面して建っています。 大きくはないのですが、その色からも目を引きます。 参拝客が多いのか、ご用の方はこちらへ連絡をなんて張り紙がしてあります。 大きな、敷地に一杯に広がる寺院も良いのですが、こんなお寺の方が観音霊場の札所には似合っているような気がします。 何年も前、三浦の観音霊場創設の頃には、きっと大きな寺勢を誇っていたんだろうなぁ〜などと想像が広がります。




第31番 鈴木山 長慶寺          
     神奈川県横須賀市長井  

ご詠歌:命こそながいみじかき浮世かな 来世を頼む南無観世音
本尊:正観世音菩薩



三浦市と横須賀市の堺に位置する長井の港近くにこの札所は位置します。 新しく開通した横浜横須賀道路に繋がる三浦縦貫道路を利用すると便利です。 近くに横須賀らしく陸上自衛隊の駐屯地を通過し、長井の先端、荒崎を目指します。 この日は晴れていたこともあり、海の景色がすばらしい。 札所は少し分かりづらく、小さな敷地です。 小さいながらも、墓地にかこまれていて今も多くの地元の人たちに信仰されていることがうかがわれます。 場所がわからなくて、地元の人に聞いて見ると、本当に親切に教えてくれました。 漁師さんらしい年配の人だったので、独特の話し方が方言のようでなんだかとっても遠くにきたような錯覚に陥りました。 長井の港には沢山の漁船が泊まっています。 海の向こうに遠く、富士山がはっきりと見ることが出来ました。




第32番 網代山 海蔵寺          
     神奈川県三浦市三崎町  

ご詠歌:あじきなやあみにかからんわれひとを たすけたまえといのる身なれば
本尊:十一面観世音菩薩



ここは、住宅の中の一角の開けたところに、長い階段があります。
そこを登っていくとと、この寺院に至ります。
山門には、ハイキング、写真、史跡めぐりなどのレジャー的な
参拝を断る旨の但し書きが大きく掲げられています。
それだけに、信仰に根差した寺院なのでしょう。
境内からは、小さな港を見下ろすことができます。
ちょうど夕暮れ時に訪れたために、とても穏やかな気持ちになりました。




第33番 白蓮山 観音堂          
     神奈川県三浦市三崎町  

ご詠歌:もろもろの願いをここに納めおき よろずのごふとここに止まる
本尊:聖観世音菩薩






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