『坂東三十三観音巡礼記』
第12番〜第17番札所



第12番 華林山 慈恩寺
     埼玉県岩槻市慈恩寺

ご詠歌:慈恩寺へまいるわが身もたのもしや 浮かぶ夏島をみるにつけても
本尊:千手観音


この札所はなんだか今にも雨の降りそうな薄暗く曇った寒い日に訪れました。 延々と、駅から一本の道を曲がることなく歩いていきます。まわりに高い建物もなく、曇った空が普段よりも ずっと低く感じます。札所に着くと、道路からも本殿がすぐに目につきます。 まわりに大きな建物がないせいもありあってか、決して山の中にあったり、鬱蒼と樹木に囲われているわけではないのですが 荘厳な感じを受けます。本尊の千手観音は、鈍く金色に光っていて堂内の装飾も立派です。 ここは西遊記の三蔵法師玄奘の遺骨が分骨されている寺院でもあり、その塔なども目にすることが出来ます。





第13番 金龍山 浅草寺
     東京都台東区浅草

ご詠歌:深きとが今より後はよもあらじ つみ浅草へまいる身なれば
本尊:聖観音



東京にある唯一の坂東観音霊場の札所です。沢山の人が訪れる寺院なのですが、 仁王門の大提灯や仲見世は知っていても、札所だということや山号なんかを知っている人は以外に少ないかも 知れませんね。 だけど、やっぱり参拝者が多くて、人の集まる大寺院は違いますね。 迫力があります。きっと昔は、各地の坂東札所もきっと同じように寺勢を誇っていて、浅草寺と同じように大きな敷地や参拝者を持っていたんでしょうね。 だからこそ、札所に選定されたのでしょうから...
人も同じですね。栄枯盛衰。そんなことを考えながら、参拝してきました。




第14番 瑞応山 弘明寺
     神奈川県横浜市南区弘明寺町

ご詠歌:ありがたや誓いの海をかたむけて そそぐめぐみにさむるほのみや
本尊:十一面観音


京浜急行の駅の名前にもなっているお寺です。 駅の名前になるだけあって、駅から近くて徒歩5分。不動産広告みたいです。 そのせいもあってか、お年寄りが日向ぼっこしていたり、今も人がなんでもなく頻繁に参拝しているお寺であるようです。 山門からまっすぐ伸びた道には昔は参道であったのでしょうが、今はアーケード付きの商店街がかなりの距離つづいています。 境内は訪れる人が多いせいか、お守りの販売なども充実していて撫で仏などもしっかり用意されています。 そんな明るい境内とは対照的に堂内はほの暗くて荘厳な空間で、山門の仁王像も運慶作と伝わっていたり、しっかりと歴史も感じられます。




第15番 白岩山 長谷寺
     群馬県群馬郡榛名町白岩

ご詠歌:誰もみな祈る心は白岩の 初瀬の誓いたのもしきかな
本尊:十一面観音






第16番 五徳山 水澤寺
     群馬県北群馬郡伊香保町水沢

ご詠歌:頼みくる心も清き水沢の 深き願いをうるぞうれしき
本尊:千手観音





第17番 出流山 満願寺
     栃木県栃木市出流町

ご詠歌:故郷をはるばるここにたちいづる 我が行く末はいづくなるらん
本尊:千手観音





『坂東三十三観音巡礼記』

第 1番〜第 5番札所

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第12番〜第17番札所

第18番〜第23番札所

第24番〜第28番札所

第29番〜第33番札所






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