● 菩薩 ●


如来になるために修行中の仏もしくは、如来と成る力はあるが衆生を救うために
浄土を造らず現世に残っている仏を菩薩と言います。
修行中とは言え、やはり仏であることには違いなく、
自らの悟りを求めるだけでなく他者の救済も目指している者です。
他者の救済は大乗仏教に強く見られる思想であり、
菩薩以下の仏の登場は時代は比較的新しいと言えると思います。

一般的に菩薩の修行とは
「布施」施す、「持戒」戒律を守る、「忍辱」耐え忍ぶ、
「精進」努力する、「禅定」真理を見極める智をえる、
「般若波羅密」本質を見ぬくの「六波羅蜜」であり
信仰を持つものが体得すべきものと同じで、菩薩行といわれます。




彌勒菩薩 その昔この世に生まれる前の釈迦が修行したという都率天で
如来になるための修行中の身であるのがこの菩薩です。
釈迦入滅後、56億7000万年後にこの世に生まれでて人々を救済する仏です。
未来の姿ではあるが如来の姿として表されることもあります。



観音菩薩 菩薩の代名詞と言っても過言でも無いほどメジャーな仏です。
阿弥陀如来の脇侍を勤めることもあります。
また、三十三の姿
(楊柳・竜頭・持経・円光・遊戯・白衣・蓮臥・滝見・施薬・魚籃・徳王・水月・一葉・
青頸・威徳・延命・衆宝・岩戸・能静・阿耨・阿摩提・葉衣・瑠璃・多羅尊・蛤蜊・六時・
普悲・馬郎婦・合掌・一如・不二・持蓮・灑水)に形を変え、人々を救済する仏でもあります。
寺院などで見られる姿は一般的に聖・十一面・不空羂索・准胝・千手・馬頭・如意輪観音になります。


文殊菩薩 文殊菩薩も釈迦と同じように実在の人物として伝えられています。
釈迦如来の左脇侍で、獅子に乗った姿が一般的です。
智慧を象徴する仏で、学業成就の功徳を得られると言われます。



普賢菩薩 文殊菩薩と対を成し釈迦如来の右脇侍として見られます。
象に乗った姿が一般的で、理性・慈悲という普遍の教えに基づいて人々を救済する仏です。
密教では延命を祈る仏としての側面も持っています。
虚空蔵菩薩 虚空というはかりしれない量の智慧と慈悲で衆生の願いをかなえるとされる仏です。
その智慧は、あらゆるものに及び職業等での能力の向上にも効力が及びます。
求聞持法の本尊とされ、記憶力を得る仏としても信仰を集めました。



地蔵菩薩 観音菩薩と並び身近な菩薩です。
交通事故の現場などにも奉られることがあるため、非常に身近な仏といえます。
地蔵菩薩は、他の菩薩が宝冠をかぶったり、様々な装飾品を身につけることが多いのとは違い、
飾らない僧侶の姿であることも、親しみやすい理由の一つかもしれません。
釈迦入滅後、弥勒如来誕生までの末法の世で六道輪廻に苦しむ人々を救済するのがこの菩薩です。



勢至菩薩 智慧の光を照らして衆生を迷いから解き放つ力を持つとされます。
阿弥陀如来の右脇侍として、観音菩薩と共に奉られます。



日光菩薩
月光菩薩
それぞれ薬師如来の脇侍として左右対照的な姿で奉られる仏です。
それぞれ単独で見ることはほとんどありません。


その他の菩薩 他の菩薩として有名なところでは、
人の臨終の時に極楽浄土へのお迎えに来る阿弥陀如来に付き従う「二十五菩薩」でしょうか。
これは、「観世音・大勢至・薬王・薬上・普賢・法自在・獅子吼・陀羅尼・虚空蔵・
徳蔵・宝蔵・金蔵・金剛蔵・光明王・山海慧・華厳王・衆宝王・月光王・日照王・三昧王・
定自在王・大自在王・白象王・大威徳王・無辺身」の各菩薩です。



       
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