● 畜生道 ●


畜生道を明さば、その住処に二あり。
根本は大海に住し、支末は人・天に雑はる。
別して論ずれば、三十四億の種類あれども、惣じて論ずれば三を出でず。
一には禽類、二には獣類、三には虫類なり。
 かくの如き等の類、強弱相害す。
もしは飲み、もしは食ひ、いまだ曾て暫くも安らかならず。昼夜の中に、常に怖懼を懐けり。いはんやまた、もろもろの水性の属は漁者の為に害せられ、もろもろの陸行の類は猟の為に害せらる。もしは象・馬・牛・驢・駱駝・騾等の如きは、或は鉄の鉤にてその脳を抉られ、或は鼻の中を穿たれ、或は轡を首に繋ぎ、身に常に重きを負ひて、もろもろの杖捶を加へらる。ただ水・草を念ひて、余は知る所なし。また蚰蜒・鼠狼等は、闇の中に生れて闇の中に死す。蝨・蚤等は、人の身に依りて生じ、また人に依りて死す。またもろもろの竜の衆は、三熱の苦を受けて昼夜に休むことなし。或はまた蟒蛇は、その身長大なれども聾唖にして足なく、宛転として腹行し、もろもろの小虫の為に食はる。
 かくの如きもろもろの畜生、或は一中劫を経て無量の苦を受く。或はもろもろの違縁に遇ひて、しばしば残害せらる。これ等のもろもろの苦、勝げて計ふべからず。愚痴・無慚にして、徒らに信施を受けて、他の物もて償はざりし者、この報を受く。


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