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天道を明さば三あり。 一には欲界、二には色界、三には無色界なり。 その相既に広くして、具さには述ぶべきこと難し。 且く一処を挙げて、以てその余を例せば、かの三十三天の如きは、快楽極りなしといへども、命終に臨む時は五衰の相現ず。 一には頭の上の花鬘忽ちに萎み、 二には天衣、塵垢に著され、 三には脇の下より汗出で、 四には両の目しばしば暗き、 五には本居を楽しまざるなり。 この相現ずる時、天女・眷属、皆悉く遠離して、これを棄つること草の如し。 林の間に偃れ臥、悲しみ泣いて歎じて曰く、「このもろもろの天女をば我常に憐愍せしに、いかんぞ一旦に我を棄つること草の如くする。我いま依るところなく怙むところなし。誰か我を救ふ者あらん。善見の宮城は今まさに絶らんとす。帝釈の宝座は朝謁するに由なし。殊勝殿の中には永く瞻望を断ち、釈天の宝象には、いづれの日か同に乗らん。衆車苑の中にはまた能く見ることなく、麁渋苑の内には介冑長く辞す。雑林苑の中には宴会するに日なく、歓喜苑の中には遊止するに期なし。劫波樹の下、白玉の清らかなる石には更に坐る時なく、曼陀枳尼の殊勝の池水には沐浴するに由なし。四種の甘露も卒に食すること得難く、五妙の音楽は頓に聴聞を絶つ。悲しいかな、この身独りこの苦を嬰く。願はくは慈愍を垂れてわが寿命を救ひ、更に少かの日を延ばしめば、また楽しからずや。かお馬頭山・沃焦海に堕さしむることなかれ」と。この言を作すといへども、あへて救ふ者なし。 当に知るべし、この苦は地獄よりも甚だしきことを。 故に正法念経の偈に云く、 天上より退かんと欲する時 心に大苦悩を生ず 地獄のもろもろの苦毒も 十六の一に及ばずと。 また大徳の天、既に生れたる後は、旧の天の眷属は、捨てて彼に従ふ。 或は威徳の天ありて、心に順はざる時は、駈りて宮より出し、住することを得ることあたはざらしむ。 余の五の欲天にも悉くこの苦あり。上の二界の中にはかくの如き事なしといへども、終には退没の苦あり。 乃至、非想も阿鼻を免れず。当に知るべし、天上もまた楽ふべからざることを。 ●人道● ●畜生道● ●餓鬼道● ●修羅道● ●地獄道●
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